教育業界の大手企業・一覧【働きがい・年収まとめ】

教育業界の大手企業・一覧【働きがい・年収まとめ】

この記事では仕事内容や平均年収も交え、教育業界の大手企業を一覧にまとめて紹介します。

教育業界の大手ってどんな企業なんだろう?
年収は高いイメージがあるけど、働きやすさややりがいとかはあるのかな…

教育業界の大手企業は多様で、安定性と社会貢献度の高さが魅力です。年収や働きがいも企業によってさまざまな特徴があります。

情報不足で就職活動をすると、自分に合う企業を見逃し、せっかくの可能性を狭めかねません。

そこで、この記事では特徴も交え、教育業界の大手企業を一覧にまとめて紹介します。大手企業に向いている人の特徴も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

この記事の要約
  • 大手企業は売上500億円以上・従業員1000人以上が基準
  • 平均年収は約600~800万円、ベンチャーは400~600万円
  • リーダーシップや継続学習意欲が求められる

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目次

教育業界の大手企業一覧

下記に、創業時期や事業内容などを踏まえ、教育業界の主要な大手企業を、一覧にまとめました。

なお、本記事では、下記の条件を満たす会社を「大手企業」と定義しております。

大手企業の定義
  • 年間売上高が500億円以上
  • 従業員数が1,000人以上
  • 全国規模で事業を展開している
  • 株式上場しているまたはそれに準ずる規模がある
スクロールできます
企業名創業上場従業員数事業内容
株式会社ベネッセコーポレーション1955年東証プライム約2万人通信教育、学習塾、語学教育
進研ゼミ
(株式会社ベネッセコーポレーション)
1969年通信教育
株式会社リクルート1955年東証プライム約4万9,000人人材サービス、教育事業
株式会社Z会1931年非上場約2,000人通信教育、予備校
株式会社公文教育研究会1958年非上場約3,000人学習塾、教材開発
株式会社学研ホールディングス1995年東証プライム約5,000人出版、教育サービス
株式会社トライグループ1995年非上場約3,000人個別指導塾
株式会社LITALICO2005年東証プライム約3,000人障害者支援、教育サービス
株式会社イーオン1973年非上場約5,000人英会話スクール
河合塾グループ1933年非上場約8,000人予備校、学習塾

上表の大手企業は、子ども向けの学習教材から大学受験対策・社会人向けのスキルアップ講座など、幅広い年齢層へサービスを提供しています。

ここからは、知名度や特色ある事業展開の観点を基準に、上表から5社を抜粋し詳しく紹介します。

  • 株式会社ベネッセコーポレーション
  • 進研ゼミ
  • 株式会社リクルート
  • 株式会社Z会
  • 株式会社公文教育研究会

株式会社ベネッセコーポレーション

ベネッセは、1955年創業の教育業界大手の企業です。「進研ゼミ」で知られる通信教育を中心に、学習塾運営、語学教育など幅広い教育サービスを展開しています。

2023年の平均年収は約940万円、新卒初任給は月給21万5,000円からです。

働きがいの面では、教育や出版、ITなど多様なキャリアパスが用意されています。フレックスタイム制や在宅勤務制度でワークライフバランスにも配慮しています。教育を通じた社会貢献に携われる点も魅力です。

社員の声
「自己評価をきちんと伝える機会があり、上司からも面談で丁寧に評価を説明してもらうことができます。」

近年はEdTech(※1)の分野への投資を加速し、AIを活用した学習システムの開発に取り組んでいます。「よく生きる」という理念のもと、変化する教育ニーズに対応し続けています。

※1:EdTech(エドテック)とは、「Education(教育)」と「Technology(テクノロジー)」を組み合わせた造語です。テクノロジーを使って教育をより良くすることを意味します。

進研ゼミ

進研ゼミ
出典:進研ゼミ

進研ゼミは、ベネッセの一部で、通信教育の代表的なサービスです。1969年にスタートし、幼児から高校生までの幅広い年齢層を対象に、教材を提供しています。特に、中学・高校受験対策で高い支持を得ており、長年にわたって多くの受験生をサポートしてきました。

平均年収や初任給は、前述したベネッセに準じます。

働きがいの面では、個々の生徒に合わせた教材開発やサポート体制を重視しています。AIを活用した学習システムやデジタル教材と、紙の教材を組み合わせた学習を提供しています。教育の未来を見据えた取り組みが進研ゼミの強みです。

株式会社リクルート

リクルートは、1960年創業の教育業界大手のひとつです。教育分野では、「学び」と「キャリア」を効果的に結びつける独自の事業展開で注目を集めています。

2023年度の平均年収は約1,100万円で、新卒初任給は月給25万2,813円(基本給)からです。

働きがいの面では「個の尊重」を重視し、社員の個性や能力を活かせる環境づくりに力を入れています。自由な発想と挑戦を奨励し「新規事業提案制度」も設けています。

社員の声
「若手社員でも積極的にプロジェクトをリードすることが推奨されています。」
「経営陣からも定期的にフィードバックを受けることができます。」

人材サービスと教育事業を融合させた独自のビジネスモデルが強みです。AIやビッグデータを活用した教育テクノロジーの開発にも注力し、個々のニーズに合わせた学習サービスの提供を目指しています。

株式会社Z会

Z会は、1931年創業の老舗の大手教育サービス企業です。通信教育と難関校受験指導に強みを持ち、幼児から社会人まで幅広い層に質の高い教育を提供しています。

2023年度の年収は約480万円から1,200万円前後で、職種によってかなり異なる傾向があります。新卒初任給は月給25万円からです。

働きがいの面では、今まで培ってきた教育への深い知見と情熱を持つ人材が集まる環境が魅力です。社員の専門性を尊重し、教材開発や指導方法の改善に積極的に取り組める風土があります。

社員の声
「現場レベルでの社員間のコミュニケーションはスムーズに行くことが多いです。」

「自学自習」の精神を大切にしながら、時代のニーズに合わせたサービス提供を目指しています。近年の新しい取り組みは、AIを活用した学習システムの開発やグローバル人材育成プログラムの強化です。

株式会社公文教育研究会

公文教育研究会は、1958年に創業した世界的な教育サービス企業です。独自の「公文式」学習法で知られ、算数・数学、国語、英語を中心に、個人の能力に合わせた学習プログラムを提供しています。

2023年度の平均年収は約620万円で、新卒初任給は月給23万4,000円からです。

働きがいの面では、子どもの可能性を引き出す教育に携われる点が大きな魅力です。グローバル展開も積極的で、国際的な環境で働ける機会もあります。

社員の声
「入社後は本社で集合研修、部署配属後は公文の先生の元で子どもと接しながらサービスの基本を学びます。」
「TOEICやTOEFLなどを受ける社員もいます。」

「自学自習」と「個人別学習」の理念は、現代の教育ニーズにも合致し公文式の特徴です。近年は、従来の紙の教材と対面指導に、オンライン指導を組み合わせた学習環境の構築を目指しています。

教育業界の大手企業とベンチャーの違い

教育業界における大手企業とベンチャー企業には、さまざまな違いがあります。

ここでは、次のトピック別に大手企業とベンチャー企業の違いを解説します。

  • 企業規模
  • 平均年収
  • 働き方
  • 働きがい

企業規模

教育業界における大手・ベンチャーの企業規模の違い

教育業界の大手企業とベンチャー企業では、従業員数や資本金・拠点数・顧客基盤などの点で大きな違いがあります。

大手企業は従業員数が数千人から数万人規模で、全国に多数の拠点を持ち、安定した顧客基盤があります。一方、ベンチャー企業は従業員数が数十人から数百人程度で、比較的小規模な組織構造を持つことが多いです。

たとえば、ベネッセは約2万人の従業員を抱え、資本金は130億円を超えています。対照的に、教育系ベンチャーの多くは従業員100人以下、資本金も数億円程度です。

このような規模の違いは、事業展開や戦略に影響します。大手は豊富な資源で幅広いサービスを展開できます。一方ベンチャーは機動力を活かしたサービス開発を行えるという強みがあります。

平均年収

教育業界における大手・ベンチャーの平均年収の違い

教育業界の平均年収は、一般的に大手企業の方が、ベンチャー企業よりも高い傾向があります。

大手企業のベネッセは約940万円、リクルートは約1,100万円ですが、ベンチャーの中には教育業界に限らず300万円台の企業もあります。

この差は企業規模や事業の安定性、社員の平均年齢などが要因となっています。大手企業は、長年の実績と安定収益で定期昇給や賞与があるのが一般的です。ベンチャーは成長過程で収益変動が大きく、基本給は抑えめになります。

就職を考える際は、年収だけでなく報酬体系や将来の成長可能性も含めて比較検討することが大切です。

働き方

教育業界における大手・ベンチャーの働き方の違い

教育業界の大手企業とベンチャー企業の働き方には、勤務体系、役割分担や業務範囲などの違いがあります。

大手企業は安定した勤務体系と明確な役割分担がされているのが特徴です。一方、ベンチャーは柔軟な勤務体制と多様な業務を担当することが多いです。フレックスタイム制など、一定の範囲内で始業・終業時刻を社員が自由に決められる制度が用意されています。

この違いの背景には、企業規模や組織の文化があります。大手が重視するのは、体系的な業務プロセスとワークライフバランスです。ベンチャーは社員の自主性や創造性を引き出す働き方を推奨しています。

就職や転職時は、自分に合った働き方の企業を選ぶことが大切です。

働きがい

教育業界における大手・ベンチャーの働きがいの違い

教育業界の大手企業とベンチャー企業の働きがいの面には、キャリア形成の方向性や成長のスピードに特徴的な違いがあります。

大手では安定環境で長期的なキャリア形成が可能です。豊富な研修制度や明確なキャリアパスもあります。専門性を深めやすく、大規模プロジェクトで社会への影響力を実感できます。

一方、ベンチャーでは自身のアイデアを直接事業に反映させやすいのが特徴です。新しい教育サービスの開発や、教育の未来を切り開く最前線で働く実感が得られます。責任ある立場で仕事を任される場合も多く、自分の成長が早い傾向です。

選択は個人の価値観や目標次第ですが、教育という社会的意義の高い分野で働く喜びは両者に共通しています。

教育業界の大手企業への就職が向いている人の特徴

教育業界の大手企業は、組織の規模が大きく、多様な役割があります。そのためさまざまな才能を持つ人材を求めているのが実情です。

ここでは、教育業界の大手企業への就職が向いている人の特徴を、4つにまとめて紹介します。

教育業界の大手企業への就職が向いている人の特徴
  • リーダーシップを発揮できる人
  • コミュニケーション能力が高い人
  • 継続的な学習意欲がある人
  • キャリアプランが明確な人

特徴1:リーダーシップを発揮できる人

教育業界の大手企業では、リーダーシップを発揮できる人材が重宝されます。リーダーシップは、組織の目標達成や新しい教育サービスの開発において不可欠な要素だからです。

具体的には、ビジョンを明確に伝え、メンバーのモチベーションを高める能力が求められます。また、複雑な問題に直面した際に冷静に判断し、適切な解決策を見出す力も重要です。

教育現場では、生徒や保護者、教職員など多様な立場の人々と関わるため、それぞれの意見を尊重しながら導く調整力も必要となります。

さらに、教育業界の変化に柔軟に対応し、新しい教育方法や技術を積極的に取り入れる先見性も、リーダーシップの重要な要素です。

特徴2:コミュニケーション能力が高い人

教育業界の大手企業では、高いコミュニケーション能力を持つ人材が重要です。教育は、本質的に人と人とのつながりを基盤としているサービスだからです。教育サービスの提供と組織の運営には、生徒、保護者、社内の人とのコミュニケーション能力が求められます。

たとえば、新しい教育プログラムを導入する際には、その意義や方法を明確に説明し、関係者の理解と協力を得る必要があります。また、生徒の学習状況や課題を保護者に適切に伝えることで、家庭と学校の連携の強化も可能です。

傾聴力、説明力、そして相手の立場に立って考える共感力などのコミュニケーションスキルを磨くことが重要です。

特徴3:継続的な学習意欲がある人

教育業界の大手企業では、継続的な学習意欲を持つ人材が重視されます。教育分野は常に進化し、新しい理論や技術が次々と登場するため、最新のトレンドに対応し続ける必要があるからです。

たとえば、EdTechの急速な発展により、AIやVRを活用した新しい学習方法が生まれています。新しい学習方法を教育に取り入れるには、社員自身が積極的に学習し、スキルアップすることが不可欠です。

教育業界の大手企業でキャリアを築きたい人は、自己啓発や継続的な学習を重視する姿勢が求められます。この姿勢は個人の成長だけでなく、組織全体の成長と発展にも貢献し、長期的に活躍するための重要な資質となります。

特徴4:キャリアプランが明確な人

教育業界の大手企業では、キャリアプランが明確な人材が高く評価されます。明確なキャリアビジョンは、個人の成長と組織の発展を同時に促進するからです。

教材開発を目指す人は、関連する知識やスキルを習得し、企業の教育コンテンツの質向上に貢献できます。また、経営幹部を目指す人は、幅広い業務経験を積みながらリーダーシップスキルを磨きましょう。将来の組織運営に備えられます。

明確なキャリアプランを描き、達成に向けて歩むことは、教育業界の大手企業への成功につながります。

教育業界の大手企業の選び方

教育業界で働くなら、自分に合った企業を選ぶことが重要です。企業理念や教育方針が自身の価値観と合致していることが、長期的なキャリア満足度に影響するからです。また、企業の成長性や将来性も、自身のキャリア発展の可能性を左右します。

革新的な教育手法に関心がある人は、EdTech*に積極的な企業を選ぶのもひとつです。一方、伝統的な教育に価値を見出す人は、長い歴史を持つ企業が適していると言えます。

企業選びの際は、以下の内容を十分に調査し、自分のキャリアゴールと照らし合わせることが重要です。

企業選びの際の調査内容
  • 企業の理念
  • 教育方針
  • 成長戦略
  • 職場環境

慎重に選択することで、やりがいのある充実したキャリアを築けます。

教育業界の大手企業への就業によくある質問

最後に、教育業界の大手企業への就職によくある質問へまとめて回答します。

  • 教員免許があると就職は有利になりますか?
  • 面接ではどんなことを聞かれますか?

教員免許があると就職は有利になりますか?

教育業界の大手企業への就職において、教員免許は教育に関する専門知識や指導力の証明となります。そのため、持っていると有利になる場合があります。しかし、教員免許の有無が採用の決め手になるわけではありません。

ベネッセでは、教材開発部門で教員免許保有者を積極的に採用しています。Z会では、通信教育の添削指導者として教員免許保有者を重視しています。

ただし、教員免許以外にも有利な資格があるのも事実です。英語力を証明するTOEIC高得点や、ITスキルを示すITパスポートがあります。心理学や脳科学関連の資格なども、教育業界で注目されています。教育の質向上や新サービス開発に貢献できる資格です。

教員免許の有無が就職活動にどう影響するのかをより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください。

面接ではどんなことを聞かれますか?

教育業界の大手企業の面接では、一般的な質問に加え、教育への情熱や理解度を確認する質問が出されます。これは業界特有の使命感や価値観、そして変化への適応力を重視しているためです。

以下がよくある質問です。

面接で聞かれたこと
  • 「なぜ教育業界を志望したのか」
  • 「教育の未来についてどう考えるか」
  • 「自身の学習経験で印象に残っていることは何か」

最近では「EdTechについてどう思うか」といった時事的な質問も増えています。

面接準備では、業界の最新動向にも注目しましょう。企業理念と自身の価値観の合致点を明確に説明できるようにしておくことが大切です。これらの準備により、より説得力のある受け答えができ、面接で好印象を与えられます。

異業種からでも転職できますか?

教育業界の大手企業は、異業種からの転職者も積極的に受け入れています。多様な経験や視点が教育サービスの革新につながると考えられているためです。また、他業界で培ったスキルや知識が、教育業界でも活かせる場面が多いからです。

IT企業出身者の場合は、EdTech*関連の部署で重宝されます。マーケティング経験者は教育商品の企画・販促で活躍できます。コンサルティング経験者は、教育戦略の立案に貢献できるでしょう。

ただし、教育への情熱や理解は必須です。自身の経験が教育にどう活かせるか、教育業界でどのように貢献したいかを明確に説明できることが重要です。

まとめ

本記事では、教育業界の大手企業の特徴、働き方、求められる人材像、就職に関する疑問点を解説しました。

教育業界の大手企業は、安定性と革新性を併せ持ち、リーダーシップやコミュニケーション能力、学習意欲のある人材を求めています。

就職や転職を考える際は、自身の適性や価値観と照らし合わせてキャリアプランを描いてください。教育の未来を創る一員としての活躍を期待しています。

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この記事を書いた人

【プロフィール】
先生や塾の講師など、教育業界への就業を目指す方に向け、教育系企業やインターンといった就活情報を網羅的に提供。「どの業界よりも教育業界で働くことが素晴らしいと思えるメディア」をモットーに、教育系企業や先生を志す方に向け、役立つ情報を提供します。
【専門分野】
教育業界/教育企業/教育系企業のインターン/教育業界の就業活動

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