この記事では英語を使う仕事に就きたい人に向け、就業するまでの手順を解説します。
「英語を使う仕事へ就くにはどうすればいいんだろう?」
「英語のスキルはどのくらい必要なのかな?」
得意な英会話のスキルを活かし、仕事をしたいと考えている人も多いですよね。
ただ、実際にどう英語を使う仕事へ就けばいいのか、わからない人もいますよね。
そこでこの記事では、英語を使う仕事に就く具体的な手順を解説します。就業活動のコツも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- 英語を使う仕事は英語力に応じて多岐に渡る
- 資格取得など早めの対策が就職のコツ
- 英語を使う仕事に就くには英語以外のスキルも重要
なお、教育業界に興味がありインターンに参加してみようと考えているものの、どの企業が自分にあうのかわからない人は「インターン先診断」をお試しください。
かかる時間は1分ほど。4つの質問に答えるだけで、あなたにあうインターン先を診断してもらえます。
就活につながるインターン経験を積みたい人は、ぜひ一度お試しください。
\ 4つの質問に答えるだけ /
英語を使う仕事の基礎知識
はじめに次のトピック別で、英語を使う仕事の基礎知識を解説します。
- 主な職種
- 平均年収
- 就業難易度
上記は英語を使う仕事への就業を目指すうえで大前提となる重要な要素です。あらかじめおさえておきましょう。
主な職種
英語を使う仕事の主な職種は次のとおりです。
職種 | 主な仕事内容 |
---|---|
接客業 | 飲食店やショップにおける外国人旅行客への対応 |
旅行関連スタッフ | 外国人旅行客への対応、海外ツアーの添乗員業務 |
宿泊関連スタッフ | ホテルにおける外国人旅行客への対応 |
航空会社グランドスタッフ | 空港における外国人旅行客への対応 |
入国審査官 | 海外から入国する外国人の審査 |
貿易事務 | 輸出入品に関わる事務 |
客室乗務員 | 飛行機内における乗客への対応 |
英会話講師 | 英会話教室などでの講義・指導 |
バイヤー | 海外商品や資材の買い付け |
英語教員 | 学校での英語指導 |
国家公務員 | 外務省などにおける公務 |
商社 | 国際的なビジネス |
翻訳家 | 英語の書籍や映画などの翻訳 |
通訳 | 外国人と日本人のコミュニケーションサポート |
英語を使う仕事の中には、英語力のレベルに応じて日常会話程度からネイティブレベルまで幅があります。
現在の英語力やこれから勉強して身につけたいスキルレベルを考慮しながら、自身に適した職種を選びましょう。
平均年収
英語を使う仕事の年収は職種によって幅があり、英語のスキルが高いほど、年収も高くなる傾向があります。
英語力 | 年収目安 | 職種 |
---|---|---|
日常会話レベル(TOEICスコア500~730) | 400〜500万円台 | ・接客業 ・旅行会社スタッフ ・宿泊関連スタッフ ・航空会社グランドスタッフ ・客室乗務員 |
ビジネスレベル(TOEICスコア730~860) | 400〜800万円 | ・英語教員 ・英会話講師 ・外資系企業 ・商社 ・バイヤー |
ネイティブレベル(TOEICスコア860以上) | 500〜1000万円以上 | ・通訳 ・翻訳家 ・海外駐在員 ・大手外資系企業 |
ビジネスレベルが必要とされる商社や外資系企業でも、海外駐在や外資系金融機関などネイティブレベルが求められる場合は、それに応じて年収も上がります。
通訳や翻訳家はネイティブレベルが必要で報酬も高いですが、企業に所属して働くか、フリーランスでスポット的に働くか、形態によって収入に差があります。
就業難易度
英語を使う仕事の就業難易度は求められる英語のスキルレベルが高いほど高くなります。海外で生まれ育った場合などを除いて、英語力を身につけるためには一定の時間が必要だからです。
日常会話レベルでこなせる仕事であれば、高校や大学で学んだ英語力で通用するケースもあります。一方で、スピーキングやリスニングでビジネスレベルが求められる仕事では、相応の準備が必要です。
スキルを身につけて、TOEIC900点以上や英検1級といった高度な英語力がある場合は企業からの需要が高く、就職のしやすさという点では有利と言えます。
英語を使う職業をより詳しく知りたい人は、次の記事を参考にしてください
英語を使う仕事に就く手順【5ステップ】
ここからは、英語を使う仕事に就く手順を、7つにステップにまとめて解説します。
- ステップ1:就きたい職種を決める
- ステップ2:受ける就業先を絞り込む
- ステップ3:必要なスキルを身につける
- ステップ4:就業に役立つ資格を取得する
- ステップ5:自己PR・志望動機を考える
- ステップ6:筆記試験を対策する
- ステップ7:面接対策をする
なお、上記の就業手順は一般的な新卒採用を想定しています。
ステップ1:就きたい職種を決める
まずは、英語を使う仕事で自分が就きたい職種を決めましょう。
例えば、外国人旅行客のサポートをしたい場合は接客業や宿泊施設のスタッフ、ビジネスに携わりたいのであれば商社やバイヤーといった決め方です。
職種を決める上では、業界研究が重要になります。業界研究とは、それぞれの業界の特徴を知ることで、自分に合っている業界や、仕事を見つけるために行うものです。
英語を使う仕事がある業界で、どんな企業があるか、実際の業務内容はどのようなものかを調べます。業界研究を深めていく中で、自分が興味がある会社や職種が見えてくるはずです。
ステップ2:受ける就業先を絞り込む
英語を使う仕事の中から就きたい職種を決めたら、次は就職試験を受ける企業を絞り込みましょう。
例えば航空業界の中から、総合商社の中から行きたいところを選ぶという具合です。自分がやりたい仕事内容や必要とされる英語力、給与などの条件と照らし合わせながら選ぶのが良いです。
企業を選ぶためには、企業研究が重要です。企業研究は、その会社の企業理念や経営方針、規模や業務内容を調べ、自分に合っているかどうかを判断するために行うものです。
特に企業理念や社風が合っているかは大事です。企業研究が不十分だと、働き始めてから自分と合わないかもしれないといったミスマッチにつながる可能性があります。
ステップ3:必要なスキルを身につける
絞り込んだ就業先への採用に必要なスキルを身につけましょう。
例えば、外国人旅行客に商品を販売する就業先では接客スキルも求められます。海外との取引に関わる場合は、それぞれの国に応じたマナーを知っておく必要もあるでしょう。
英語を使う仕事では、語学力以外にも次のようなスキルが必要です。
- 論理的思考力
- ビジネスマナー
- パソコンスキル
仕事で求められる英語力を磨くことはもちろんですが、社員同士の連携など、仕事をする上ではコミュニケーション能力が欠かせません。簡潔に相手に伝える習慣をつけるなど、就職前から意識することで身に付く部分はあります。
ステップ4:就業に役立つ資格を取得する
英語を使う仕事に就くためには、次のような就業に役立つ資格を取得するのも効果的です。
英語に関わる資格 | ・英検 ・TOEIC ・TOEFL ・IELTS(International English Language ・Testing System) ・GTEC(Global Test of English Communication) ・TEAP(Test of English for Academic Purposes) ・ケンブリッジ英語検定試験 |
英語以外に役立つスキル | ・ITパスポート ・マイクロソフトオフィススペシャリスト ・簿記 ・ビジネス実務法務検定 ・秘書検定 |
特に英語に関わる資格で上位の級や高いスコアを取ることができれば、会社からの客観的な評価が高まります。それによって希望の仕事を任されたり、昇給の判断材料になるなど、自身の仕事に役立てられます。
英語を使う仕事に役立つ資格については、次の記事を参考にしてください。
ステップ5:自己PR・志望動機を考える
英語を使う仕事に限らず、就職試験で自己PR・志望動機は非常に重要です。
【航空業界の例文】
私が貴社を志望する理由は「心はずむ空の旅を提供する」という企業理念に深く共感したからです。
私は学生時代に約50カ国を海外旅行しました。毎回、旅行先に向かうワクワクした気持ちの私を、安全で快適に送っていただいたのが貴社の社員の方々でした。
そのため、就職を考えた時に最初に浮かんだのが貴社で働く自分の姿です。自分が体験した旅の心地良さを、今度は国内外のお客様に経験していただけるよう、サポートする立場になりたいと思ったのがきっかけです。
学校や海外旅行で培った英語力や海外の人とのコミュニケーション能力を活かして、貴社でより良いサービスを提供していきたいと考えております。
自分にどのような強みがあり、なぜその企業を志望して、企業にどのように貢献できるのかを、わかりやすく伝える必要があるからです。そのためには、自己分析を入念にして自分の強みを洗い出し、志望先の業務内容にどう活かせるのかを結びつけることが大事です。
英語を使う仕事の場合、「英語が得意だから」という理由だけだと、他の人と被る可能性があり、差別化を図ることが難しいです。英語以外の自分の強みをアピールすることも大切です。
英会話講師の志望動機の書き方は、次の記事を参考にしてください。
ステップ6:筆記試験を対策する
英語を使う仕事に就くためには、筆記試験対策も鍵となります。
企業の採用試験では広くSPI(Synthetic Personality Inventory)が利用されています。SPIはリクルートマネジメントソリューションズが開発した適性検査です。
SPIの内容
- 性格検査
- 言語能力検査
- 非言語能力検査
SPIは、人との関わり方や仕事の進め方、価値観などを測る性格検査と、国語のテストのような言語能力検査、数学のテストのような非言語能力検査があります。能力検査は中学から高校の学力レベルですが、問題数が多く、制限時間内に解くためにはスピードが必要なため、事前の対策が重要です。
SPIとは別の方式や、英語の試験を導入している企業もあるため、志望先に合わせた対策をすることも大切です。
ステップ7:面接対策をする
就職試験で面接は最も重要とも言えるため、入念な対策が必要です。
面接の対策方法
- 模擬面接を受ける
- 想定問答を考え答えを準備する
- 模擬面接を動画で撮影して自分の改善点をチェックする
実際に会って話すことで、就活生の人柄や会社に対する熱意を企業が判断するからです。エントリーシートにも自己PRや志望動機を記入することが多いですが、それだけでは伝わりにくい部分があります。面接での話し方や質問に対する受け答えを見て、企業は自社に合う人材かどうかを見極めて採用を決めます。
また、英語を使う仕事の場合、企業によっては英語で面接を行うところもあります。志望先の面接の形式をできる範囲で調べて対策することが大事です。
英語を使う仕事に就く3つのコツ
ここからは、英語を使う仕事に就くコツを、3つにまとめて紹介します。
- なぜ英語を使う仕事に就きたいかを明確にする
- 資格取得など早めに準備する
- 英語以外のスキルも磨く
コツ1:なぜ英語を使う仕事に就きたいかを明確にする
まず、自分がなぜ英語を使う仕事に就きたいかを明確にすることが重要です。
世の中に数多くの仕事がある中で、英語を使う仕事が本当に自分がやりたいことなのか、向いている仕事なのかを見極めることが大事だからです。なぜその仕事をしたいのかが曖昧だと、働き始めてからやりがいを感じられない、すぐに転職したくなるといったミスマッチが生じやすくなります。
英語を使ってどのような仕事をしたいのかは、志望動機にもつながる部分のため、しっかり考えて軸を定めることが大切です。
コツ2:資格取得など早めに準備する
英語を使う仕事に就くために資格の取得を考えている場合は、早めに準備することが大事です。
資格は試験の日程が決まっているため、書類に保有資格を記入したい場合や、面接でアピールしたい時はそこから逆算して予定を立てる必要があります。
資格の年間試験回数
- 英検:年3回
- TOEIC:毎月実施
- TOEFL:毎月実施
資格は受験から結果が出るまでに1〜2カ月程度の時間がかかります。企業に資格やスコアの証明書の提出が必要なケースもあるため、結果が出る時期も確認することが大事です。
コツ3:英語以外のスキルも磨く
英語を使う仕事に就くためには、英語以外のスキルも磨くことが重要です。
英語力に加えて、企業が重視するのは円滑に仕事を進めるためのコミュニケーション能力です。仕事は顧客や取引先など人と関わることが多いため、適切な対応をできるかどうかが重要になります。
また、仕事でパソコンを使う場合、エクセルなどの技術を高めることが仕事の効率化にもつながります。英語以外のスキルがあることで、企業からの評価を高めることができます。
英語を使う仕事に就くならインターンの活用がおすすめ
英語を使う仕事に就くために、インターンに参加するのもおすすめです。
インターン(インターンシップ)は、就職する前に会社で実際の仕事を体験して職場の雰囲気を感じられる制度です。
インターンには1日から2週間程度の短期とそれ以上の長期があり、短期の場合は会社への理解を深めることを目的としたものが多く、長期の方がより実践的な仕事を学べる傾向があります。
インターンに参加するメリット
- 実務を体験できる
- 有給のものもある
- 英語が仕事で通用するか確認できる
- 採用につながる可能性がある
英語が活かせるインターンを知りたい人は、次の記事を参考にしてください。
まとめ
英語を使う仕事は幅広くあり、選択肢は豊富です。 その仕事に就くためには、仕事に応じた英語力をつけることに加えて、コミュニケーションやパソコンなど、英語以外のスキルも磨くことが重要です。
この記事を参考に、資格の取得など早めの準備をして、自分に合った英語を使う仕事を見つけてください。